いつの分を、いつまでに

確定申告の対象期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。年度ではなく暦年である点に注意してください。

申告と納税の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。期限が土日にあたる場合は翌開庁日にずれます。最新の日程は国税庁の案内で確認してください。

年の途中で開業した場合も同じです。10月に始めたなら、10月から12月までの3ヶ月分を翌年に申告します。

必要なもの

  1. 売上が分かる資料。 元請けからの支払明細、入金が確認できる通帳。これらをもとに、自分で売上台帳を作ります。
  2. 経費の領収書・レシート。 燃料、車両リース、保険、駐車場、消耗品、通信費など。1年分をまとめておきます。
  3. 各種控除の証明書。 国民年金保険料の控除証明書、生命保険料控除証明書、小規模企業共済やiDeCoの掛金証明書、国民健康保険の支払額が分かるもの。
  4. マイナンバーカード。 e-Taxで申告するなら必須です。
  5. 本人名義の口座情報。 還付がある場合の振込先です。
支払調書は届かない前提で考える

会社員の源泉徴収票と違い、業務委託では支払調書が必ず届くとは限りません。届かなくても申告義務はあります。自分で売上を集計できる状態にしておくことが前提です。毎月の支払明細は必ず保存してください。

やることの全体像

作業は3段階です。

第1段階:集計する。1年分の売上を月ごとに並べ、合計を出します。次に経費を費目ごとに集計します。会計ソフトを使っていれば、この作業はほぼ自動で終わります。使っていない場合は、表計算ソフトで作ります。

第2段階:申告書を作る。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の質問に答えるだけで申告書ができます。青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を合わせて作成します。

第3段階:提出して納税する。e-Taxで送信するか、印刷して税務署へ持参・郵送します。納税は口座振替、クレジットカード、コンビニ納付などから選べます。

e-Taxを使う

マイナンバーカードとスマホがあれば、e-Taxで自宅から申告できます。税務署に行く必要がなく、時期の混雑も避けられます。

さらに、青色申告特別控除の最大額を受けるための要件のひとつがe-Taxによる申告です。控除額に直結するので、この点だけでもe-Taxを選ぶ価値があります。

申告しないとどうなるか

ここははっきり書きます。申告しないという選択肢は存在しません。

無申告加算税

期限までに申告しなかった場合に課される税金です。本来の税額に上乗せされます。自主的に申告するかどうかで割合が変わります。

延滞税

納付が遅れた期間に応じてかかります。放置するほど増えていきます。

青色申告の取消し

期限内に申告しないと、青色申告特別控除が受けられなくなる場合があります。控除を失う影響は大きい。

さらに、税金以外の影響があります。国民健康保険料は前年の所得をもとに算定されるため、申告していないと正しく計算されません。住宅ローンや自動車ローンの審査では、確定申告書の控えが所得の証明として求められます。保育園の入園申請でも必要になることがあります。

「バレなければいい」ではなく、「申告していないと生活の他の場面で困る」という理解が正確です。

1年目にやりがちな失敗

  • 領収書を捨てていた。 開業前に買った備品の領収書も、開業費として扱える場合があります。捨てないでください。
  • 売上を入金額で計算していた。 元請けが手数料やリース料を差し引いて振り込んでいる場合、入金額は売上ではありません。差し引かれた額を含めた総額が売上で、差し引かれた分は経費として計上します。
  • 納税資金を用意していなかった。 確定申告で税額が確定した時、手元に現金がない。最も多い失敗です。毎月積み立てておいてください。
  • 3月に入ってから始めた。 1年分の領収書整理は、想像より時間がかかります。1月から着手してください。
今日からできる準備

領収書を入れる箱を1つ用意して、そこに全部放り込んでください。それだけでも、何もしないよりはるかにマシです。理想は、会計ソフトにその日のうちに入力することですが、まずは失くさないことが先決です。

税理士に頼むかどうか

判断の目安を書きます。

自分でやって問題ない場合:取引先が1社か2社、経費の費目がシンプル、売上が年数百万円規模。会計ソフトを使えば、初年度でも週末2日程度で終わります。

税理士を検討する場合:複数の取引先がある、車両を購入して減価償却が発生する、消費税の申告が必要になった、法人化を検討している。あるいは、単純に自分でやる時間がない場合。

費用は依頼内容によりますが、年間で数万円から十数万円が目安です。その時間で稼げる金額と比較して判断してください。

まずやるべき2つ

この記事を読み終えたら、次の2つを実行してください。

  1. 会計ソフトに登録する。無料期間があるものも多い。手作業での集計は、時間の無駄です。
  2. マイナンバーカードを持っていないなら、申請する。交付までに時間がかかるため、確定申告の直前では間に合いません。

税制は改正されます。控除の要件や申告期限、必要書類は変わることがあるため、実際の申告時には必ず国税庁の最新情報を確認するか、税務署に相談してください。